天皇皇后両陛下が栃木県で静養に入り、太平洋戦争の激戦地・硫黄島から疎開した住民と懇談されました。

両陛下は26日午後5時ごろ、栃木県那須町の「那須御用邸」に到着し、静養に入られました。

おふたりは「戦後80年」にあたり、日米両軍で3万人近くが命を落とした激戦地・硫黄島から疎開し、現在は那須町で暮らす渡部敦子さん(95)、原ヤイ子さん(94)と懇談されました。

「いろいろ大変でいらっしゃいました。今はいかがお過ごしですか」

渡部敦子さん
「那須の方で、のんびり暮らしております。硫黄島には14歳のときまで」

両陛下は、戦時中の空襲や疎開後の生活などについて熱心に耳を傾けられていました。

硫黄島では戦中、アメリカ軍との激しい地上戦を前に住民らの強制疎開が行われ、一部は那須町に入植していました。

両陛下は今年4月に硫黄島を訪問し、慰霊碑に供花されていました。

側近によりますと、両陛下は以前から硫黄島に関する書籍などを通じて、硫黄島からの疎開者の一部が戦後に那須へ入植したことを知り、「機会があればお会いしたい」と考えられていたということです。