大学病院の過酷な労働環境を見て…直美を選んだ医師

 東京都内の美容クリニック「MK CLINIC」の院長・石田雄太郎さん(31)も直美のひとりです。2年間の初期研修を終えた後、2023年に大手美容クリニックに就職。それからわずか1年で開業に至りました。

 じつは石田さん、大学在学中は小児科志望でした。しかし、初期研修の際に、大学病院の過酷な労働環境や厳しい上下関係などを目の当たりにして、考えが変わったといいます。

 (MK CLINIC 石田雄太郎院長)「最初の数年、長ければ5年くらいは、本当に“下積み生活”というか。医師じゃなくてもできるような仕事、書類管理とか。奴隷のように扱われることもありますから。メンタルが病んでしまって辞めていった先輩・同級生もいっぱい見てきた」

 「過酷な労働環境」や「診療報酬の伸び悩み」などを背景に保険診療が敬遠されるなか、美容医療(自由診療)に進む医師が増えています。
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 2022年に国が行った調査では、直美の医師は全国で198人に上り、10年で約12倍に増加しました。

 今年新たに5人、直美の医師を採用した大手美容外科の院長は。

 (東京美容外科 麻生泰統括院長(53))「東大医学部卒とか、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)卒とか、普通では採れないような人材が僕らの業界に流れてきて。クリニックの発展を考えたときに優秀な人材を採れるなら採っておこうというのが、経営者としての目線」