海水温上昇でサンゴも… 三重の海に“南国の高級魚”

一方、猛暑は海にも異変をもたらしています。伊勢エビの産地として知られる三重県志摩市。
漁師 小川吉高さん
「どこもここも広がりをみせている。カビみたいなもんや、サンゴなんか」

海の中をのぞいてみると、岩場にはサンゴが広がり、色鮮やかな魚たちが。まるで、南国の海のような光景が広がっていました。
漁師 小川吉高さん
「ムロアジ、南の魚。家に持って帰っておかずに」

南の暖かい海などで主にみられる高級魚「オジサン」や、沖縄の県魚“グルクン”の姿も。こうした海の異変について、専門家は。
名古屋大学大学院 環境学研究科 山崎敦子 講師
「温暖化によってサンゴが北上していって、種数も増えてきている。黒潮によって運ばれた(サンゴの)卵がついて成長し、冬を越せるようになったという状況の中で増えてきた」

また、海水温の上昇には、本州の南を流れる暖かい海流の「黒潮」が大きく曲がる「黒潮大蛇行」の影響もあるとされています。
海水温が上がったことで、海藻を食べるウニの仲間・ガンガゼなどが増え、海藻の量が減少。それをエサにしていた伊勢エビも減り、7年前、40トンほどあった水揚げ量は、昨年はわずか2トンにまで落ち込みました。
漁師 小川吉高さん
「もう何もない。15年くらい前からぼちぼち始まって、この10年で完全になくなった。沖に出ても金にならない。誰も(漁に)行かない。若者がこれから漁をしようと思っても無理。とるものがない」