教育現場など子どもと接する仕事に就く人を対象に性犯罪歴を確認する「日本版DBS」の導入に向けて、こども家庭庁はきょう(22日)、導入に向けた検討会でこどもへのヒアリングを行った結果を示しました。

「日本版DBS」は、去年6月に成立した「こども性暴力防止法」に基づく制度で、学校や保育所に対して、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認するよう義務づけます。

導入に向けてきょう行われた検討会では、こども家庭庁が先月、中学生や高校生を対象に対面とアンケート形式で行ったヒアリングの結果が示されました。

参加した中高生からは、「学校や習い事などで起こった大人からの性的な嫌がらせや暴力について周りの人にどうしたら相談しやすくなると思うか?」といった質問に対して、▼「身近な先生に加害者がいると相談しにくい」、▼「相談したことをどこまで学校にバラしていいのかは話し合って決めてほしい」など、加害を行った教員に相談内容が伝わることを懸念する声が複数出たということです。

相談する相手については、▼「デリケートな問題だから、知っている大人じゃない方が相談しやすい」、▼「スクールカウンセラーの先生が一番」との意見が出た一方で、スクールカウンセラーについては、▼「年に一回しか喋ったことがない」、▼「授業中に呼び出されるから気まずい」、▼「親に一筆書いてもらわないといけないから相談している人を見たことがない」など、相談しづらい仕組みになっているという指摘があったということです。

また、▼「遠足で先生が冗談でポッキーゲームをやろうと言ってきた。実際にすることはなかったが、先生たちの研修の場で楽しい場であってもおふざけでも性的に触れる行為はだめだと共通の価値観を持つことが大事」、▼「昔は良かったことが、今はもう全然ダメっていうこともあると思う。あんまり深く捉えてない先生もいるのではないか」など、世代によって性に対する価値観や知識量が異なることについての指摘や、▼「今の時代は小学校から性教育をする必要があると思う。ネットでいろいろ知っているが、学校で習わないと、知識の使い方が分からない」といった幼稚園などの早い段階から適切な性教育を行うべきという意見もあったということです。

こども家庭庁は、来月に中間のとりまとめ案を示し、来年12月の運用開始を目指しています。