北海道知床半島の羅臼岳で8月14日、登山中の26歳の男性がクマに襲われて死亡した事故で、男性は登山道を走って下山中にクマに襲われた可能性があることがわかりました。

8月14日、日本百名山の一つとして人気のある羅臼岳(標高1661m)の登山道で、友人と下山中だった東京都の26歳の男性がクマに襲われ、翌日に死亡しているのが見つかりました。

捜索に向かう道警の山岳遭難救助隊(8月15日)

 男性が襲われた現場付近では、親グマと子グマ2頭がハンターによって駆除され、採取したクマの肝臓などからDNA検査を実施。

駆除された親グマが、男性を襲った個体だと判明しました。

また、北海道の調査では、男性は登山道を走って下山していた際に、クマに襲われていた可能性があることが新たにわかりました。

世界自然遺産の知床半島にある羅臼岳

 男性がクマと遭遇したと思われる地点は、カーブがあって見通しが悪く、道幅が狭かったということです。

また、男性はクマ鈴を携帯していましたが、クマスプレーは携行していなかったとみられています。

駆除された親グマは、体長140㎝のメスで、体重は117㎏。

子グマは、体長72㎝のメスと、71㎝のオスで、体重はそれぞれ17㎏でした。

捜索に向かう道警の山岳遭難救助隊(8月15日)

 現場周辺には、男性のバッグや血の付いた衣類のほか、スマホやサングラスなどの所持品が散乱していて、20日までに警察や斜里町などが回収しています。

羅臼岳の登山道は、いまも入山が規制されていて、有効な対策を見い出せていないことから、規制解除のメドは立っていません。