加藤さんの復讐心「苦しみを与えて死んでいってもらう」

反省が見られない元死刑囚の男に対し、加藤さんは自身で反省させて苦しみを与えようと考えました。

(加藤裕司さん)
「いかに鬼畜な人間であろうと、人間で生まれてきた以上はどっか心の隅に隙間があるだろうと」

「こんこんと教えることによって、元死刑囚の男が『自分は大変なことをしてしまった。これはなんとかお詫びをしなければいけない』という思いになってくれたら、その時に初めて苦しみが出てくるだろうと思ったんです。人間に戻して、苦しみを与えて死んでいってもらう。それが私の願いでした」

「それをやろうと思ったんですけど、ある友人から、『そんなことをして、自分の将来を、余生をそのことに費やして、娘さんは喜ぶのか?娘さんは復讐をしてくれと言ってるのか』ときつく言われたことがあって。そんなこと思うわけないなと思って。じゃあどうすりゃいいんだ、という思いに駆られたんです」

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「元死刑囚の男のことは、一切気にかけないようにしよう、拘置所で自殺しようが、死刑になろうが、全然関心を寄せない、そういう風に思うようにしました。『それじゃあ自分が何をしたらいいのか』ということをいろいろ考えたんですよね」