水不足はいまだ解消されず。大分県内の農業用ダムでは放流制限が続き、農家は雨不足に頭を悩ませています。
県によりますと北部を中心に農業用ダムの貯水率の低下が続いています。宇佐市などにまたがる駅館川水系の日出生ダムで44.2%、香下ダムで27.7%などとなっていて平年の3割から6割程度まで落ち込んでいます。

この2つを含め現在も4つのダムで放流制限が続いています。
国東市でコメ作りを手がける松原ファームでは、今年から新たな稲作に挑戦しています。それが、水の張らない田んぼに種もみを直接植える「乾田直播」という農法です。

コメの品質を維持しながら作業時間や生産コストを削減。水の使用量も大幅に抑えることができるといいます。導入に踏み切った背景には年々、厳しさを増す気象環境への危機感があります。
(松原ファーム・松原雅之社長)「水がないならないなりに、根本的に農法を取り入れていかないと、こういった干ばつにも対応していけないんじゃないかと、手段の一つとして試行錯誤している」

しかし、今年は記録的な雨不足で、想定以上に水の使用が制限され、「乾田直播」の弱点となる雑草の処理が追いつかず、稲の育成に影響が出た田んぼもあるといいます。一方で農業人口の減少などを受け松原ファームでは持続的なコメ作りのために今後も「乾田直播」に取り組む方針です。

(松原雅之社長)「確実にいままでのやり方の方が安定している。間違いはない。ただ労働生産性はそのやり方だと上がりづらいので、どうやって人的リソース少ない中でやっていくのかは喫緊の課題」
県によりますと現時点で夏野菜などに雨不足や高温による大きな被害は報告されていませんが、予断を許さない状況はしばらく続きそうです。