鹿児島で最低賃金が953円から、初めて1000円を上回る見通しのなか、19日、労働者側と企業側の双方が希望する引き上げ額が出揃いました。しかし、その額には隔たりがあり、結論は持ち越しとなりました。

最低賃金は、企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金のことで、鹿児島は現在、953円となっています。19日、鹿児島市で、県内の労使の代表らによる4回目の協議が開かれました。

厚生労働省は今年度、県内の最低賃金の目安を64円アップの1017円としています。

こうした中、前回の協議で、労働者側は88円増額の1041円への引き上げを要求。これに対し、企業側は19日、国の目安通り64円の増額を提示して1017円への引き上げを求め、両者の差額は24円となっています。

(企業側代表 岩田英明委員)「(大幅な引き上げは)事業継続や雇用維持に深刻な影響を及ぼしかねない。地域経済の実情を十分に踏まえ、段階的、緩やかな引き上げとすることを強くお願いする」

(労働者側代表 海蔵伸一委員)「長い期間続いたデフレから脱却するには、物価が上がった分、賃金も上げていかないと、脱却できないと思う」

19日は合意には至らず、結論は持ち越しとなりました。

(鹿児島地方最低賃金審議会 川口俊一会長)「鹿児島県の最低賃金の額としては、納得性のある金額に結審できればいい。できれば三者の合意、全会一致を目指したい」

労使がどこまで歩み寄れるのか。あさって21日、5回目の会議が注目されます。