「背伸びしすぎた」
支部の通帳を調べたところ、手書きで「党費立て替え」の記載があり、当時、会計を任されていた事務担当者が支部の活動費から捻出したとみられます。背景にあったとされるのが党勢拡大です。
自民党氷見市支部・嶋田茂支部長
「堂故さんが氷見から国会議員になったということで、皆さんは、氷見から国会議員いらっしゃるならあまり恥ずかしい数字も出されん、党員の数も出されんということで。みんなが一丸となって党勢拡大のためにやっていただいた結果、ちょっと背伸びしすぎた分、こういった形になったんではなかろうかと思っております」

氷見市出身の堂故茂氏が参議院議員に初当選したのが、2013年です。

堂故氏が支部長だった当時の文書には氷見市支部は県内のほかの支部に比べて入党率が最低だったと記載されています。その後は党勢拡大の機運が高まっていったということです。


自民党氷見市支部 嶋田茂支部長
「他市にあまり劣ることなく、氷見市支部に応じたような党員の数は確保しなければならない。そういった思いが、会計の担当しておられる方にあったのではなかろうかと思います」
ただ、嶋田支部長は当時の事務担当者が体調を崩していて連絡が取れず、193万円が党員何人分の立て替え払いかは不明だとしました。
また、2015年と16年については、古くからの党員である世話人が別の党員の党費を立て替えていた可能性があるとみています。
自民党氷見市支部 嶋田茂支部長
「世話人の方がですね。けっこうおられて。やっぱり今までの氷見市支部の党員の数があまりにも少なすぎたと。県内においても。これじゃあだめだということで、みんなで党員の数を増やそうというようなちょうど年でありましたから。世話人の方が、立て替え払いをしていたのではなかろうかと」
氷見市支部では党員それぞれに担当の議員がいて、担当議員が年末に党費を回収し、支部を通じて県連に納める仕組みです。

担当議員が党費を肩代わりしていた場合、公職選挙法が禁じる寄付に当たるおそれがあり、議員側の関与が焦点となっていました。
毛田千代丸キャスター
「2015、16年の6月までは堂故さんが支部長で、6月以降は薮田さんが支部長ですけども。この肩代わり、立て替えは当時の支部長は把握していたのか、また指示などの関与があったか、ないのか。いかがですか」

自民党氷見市支部 嶋田茂支部長
「いや、これ全くないと思いますよ。支部長はそういったお金のことに関しては、結局、事務担当とかそういった方に信頼。お互いに信頼関係で成り立っていってますんで」
2015年から23年までの9年間、党費を肩代わりしていたとみられるのは世話人、事務担当者、前の支部長で議員側の関与は一切ないとしました。
しかし、2016年に支部の会計責任者だった男性は氷見市議から党費の肩代わりがあると聞いていたことが、チューリップテレビの取材で分かっていて、支部の説明と食い違っています。
毛田キャスター
「その議員の方、支部の中枢の方が党勢拡大のために立て替えるんだったら100歩譲ってわかるんですけども、世話人だとか事務担当者っていうのは、ちょっと違いますよね。そういった方の独断でやっていたとみられる。議員は関与していない。ちょっとつじつまが良すぎるような印象もあるんですけども、有権者の方にこの発表内容は納得していただけるとお考えですか」
自民党氷見市支部 嶋田茂支部長
「うーん。世話人の方は、けっこう集めておられましたからね。それはあんまり、議員だから、一般の方だからということで、あんまり関係ないと思いますけど。納得していただくかどうかは判断していただきたいと思います」
7月の参院選では自民党公認候補の堂故氏が7967票の僅差で落選しました。
氷見市の投票所では党費問題の調査結果発表が参院選後になったことで堂故氏に投票しなかったという人もいました。
毛田キャスター
「発表が参院選後になったことについて選挙結果への影響をどう捉えていますか」
自民党氷見市支部・嶋田茂支部長
「こればっかりはなんとも言えませんよね。そういった方もおられるかもしれませんが。また逆の立場の思いの方もおられると思いますので、その件に関しては私の方からは、コメントは差し控えさせていただきたいなと思います」
氷見市支部では再発防止策として行政書士に収支のチェックを依頼するとしました。また、責任の所在や原因を明らかするとして、今月中に党紀委員会を開催する予定です。