■世界の投資額は約245億円 “ウニ”のカギは製油会社の遠心分離技術

東京・新宿のベンチャー企業「ネクストミーツ」は、2020年から代替肉の販売をはじめ、2021年には代替シーフード市場に参入し、大豆を主な原料とした代替ツナ「NEXTツナ1.0」を発売した。

ネクストミーツ 佐々木英之CEO:
ツナは割と好きな人が多いと思うのですが、いろいろなツナの種類がある中で、一つの選択肢になってくれれば。日本は魚大国だと思うのですが、代替シーフードを作っている会社が日本にはまだまだ少ないので、市場を盛り上げていけたらと思っています。

代替シーフードの市場は世界で急拡大しており、投資額は2021年には1億7500万ドル、日本円で約245億円に上る。

2021年7月、東京・新宿にオープンした植物由来専門のレストラン「PLANT BASED TOKYO」では、新たに高級食材、ウニの代替シーフードをメニューに採用した。プラントベースのウニをふんだんに使った「濃厚ソイうにクリームパスタ」とグラタンの「うにたん」だ。メニューに採用したスタッフも、「本物のウニと間違える美味しさだったので、ぜひ広めていきたい」と話している。
プラントベースのウニを開発したのは大阪・泉佐野市の「不二製油」だ。製油会社でありながら、代替肉のトップメーカーで、国内シェアの5割近くを占めている。

不二製油 たん白事業部門 中野達郎主事:
ウニは日本人が身近で食べる食材の一つと考えており、プラントベースのメニューの幅を広げるというところからまずは作り上げたのが一つのきっかけです。
材料は粉末にした大豆タンパク、固形油脂、豆乳クリームに植物由来の色素、香料を混ぜ合わせたもので、食感や味の決め手となる濃厚な豆乳クリームの製造には、不二製油が特許を持つ遠心分離の技術が力を発揮していた。

プラントベースのウニは、すでに都内のホテルでビュッフェのメニューに採用されており、利用客に好評だという。
不二製油 中野達郎主事:
マネできない素材を使ってこのウニを作っている以上は、本物を超えるウニを新たな次世代ウニとして展開することができれば、より消費者の皆様にも貢献ができますし、食料の危機問題、特に資源の枯渇という観点からも考えると、十分世界でも通用するような食品になっていくのではないかと考えています。
プラントベースの代替シーフードは本物を超え、新たな市場の拡大に貢献するのか、ますます注目だ。