3Dモデル作成で浮かび上がったものは

暗い海の底でつかめなかった全体像を明らかにするため、今年5月、改めてあらゆる方向から機体を撮影。

7868枚の写真を組み合わせて3Dモデルが完成しました。

ウインディーネットワーク 阪本真吾さん
「平面的な画像だけでは分からないんですけれども、形状を復元することで分かることというのは結構たくさんあります」


水中映像と3Dモデルを専門家に見てもらいました。

防衛研究所 戦史研究センター 伊藤大輔3等空佐
「操縦席の中に操縦桿がありましたが、これはいわゆる海軍の零式水上偵察機の操縦桿と一致しております」


水中の機体は零式水上偵察機でした。

滑走路で使う車輪の代わりに大きなフロートを備えた水上飛行機。

福岡市にあった九州飛行機で8割が造られた機体です。

その機体前方には「穴」が確認できました。

防衛研究所 戦史研究センター 伊藤大輔3等空佐
「おそらく12.7ミリ機銃の弾痕だと思うんですけど」

Q撃ったのは?

「沖縄戦で米軍が鹿児島まで展開させていた機体ですね」


アメリカ軍機に撃たれた状況の中で…

防衛研究所 戦史研究センター 伊藤大輔3等空佐
「叩きつけるように落ちてしまった場合は、このように綺麗に残っておりませんのでだいぶ操縦者が最後の最後まで頑張ったというところが言える」

防衛省 元航空事故調査委員会 永岩俊道元空将
「ほぼ完全な形で着水に至らせたというのは、相当高い技術であったんだろうなと」