福部は8月20日に日産スタジアムで行われるトワイライトゲームズには出場しないため、16日のアスリート・ナイト・ゲームズが、参加標準突破へ最後の挑戦となった。

前日も37度3分の熱があったという福部。午後3時25分から始まった予選では、12秒83の組1着でフィニッシュし決勝へ進んだ。約3時間半後に行われたファイナル。福部はスタートから飛び出すと、一度もトップを譲ることなく1着でフィニッシュした。タイムは12秒73。その数字が電光掲示板に表示された瞬間、福部は両手で顔を覆い、ホッとした表情を見せ何度も頭を下げた。ともに決勝を走った選手たちも福部を祝福、全員で記念写真に収まった。

100mH決勝後に記念撮影(前列中央に福部選手)

ラストチャンスで見事参加標準をクリアした福部は「最後の最後で決めきるっていうのは、自分の強みっていう所もあると思うので、そこが消えていなくて良かったなと思います」と笑顔を見せた。菊池病という病と戦いながら、大きく近づいた“日本代表”。「今、自分がこうしてレースに出ていることだったり、ハイアベレージで走れていることっていうのは、全く想像していなかった」と話し、「難しい世界陸上になるだろうなっていうのは想像しているので、少しでもいい状態で世界の猛者たちと一緒に戦えるように頑張っていきたい」と、前を見据えた。

9月の東京・国立競技場。福部はどんな走りを見せてくれるのだろうかー。