【蚊の刺し方の工夫〈2〉回転】
さらに、蚊は皮膚を刺すとき、針を左右に回転させながら刺し進めます。
工具のキリのように回転させることで静止抵抗力が減り、刺さりやすくなるのです。

こちらも作製した針で実験してみると、そのまま刺したときに比べ、回転させた方が皮膚のたわみが減り、スムーズに刺すことができました。

現在、青柳教授は0.08ミリの極細の針を開発中です。
実用化されれば、乳幼児や子ども、糖尿病患者、ペット、美容での注射など幅広い分野での活用が期待されます。

青柳誠司教授は、
「細くて柔軟な“痛くない”注射針が実用化して世の中の人に渡れば助かる人がたくさんいる」と話しています。

こうした生き物の構造や機能などの生態を模倣することで新しい技術や商品開発のアイデアにすることは「生物模写(バイオミミクリー)」と呼ばれています。

ヤマザキ動物看護大学 長島孝行教授:
蚊って人間の敵みたいに言われるんですけども、一方ではこういうところを学んでものづくりをするのが流行っていて、今最先端なんですね。生物系や工学系の研究者がみんなでやってるんです。
環境に負荷のないものを作ろうとしているわけですね。