5人に1人が75歳以上の高齢者となった2025年の日本。相続が多くの人にとって他人事ではない中で、税金・修繕費などのコストがかかり“負の遺産”となることもあるのが、実家をはじめとする不動産です。 これから多くの人が直面する”実家じまい”。今から考えておくべきこととは?横浜市立大学・齊藤広子教授に聞きました。
世は「大相続時代」突入
2025年は、1947年~49年生まれの「団塊の世代」全員が75歳以上になります。国民の5人に1人が後期高齢者となっていて、相続が近づいていく、いわゆる『大相続時代』に突入するということです。
相続する財産の構成比(2023年・国税庁)は以下の通り、相続する財産一番多いのが不動産で、高齢者の約8割がいま持ち家で暮らしているということが要因です。
■不動産(土地・家屋) 36.5%
■現金・預貯金 31.5%
■有価証券 17.1%
■その他 11.4%
しかし、不動産を相続したとしても実際は、▽実家近くに住んでいない、▽すでに家を持っている、▽もっと便利なところに住みたいなど、さまざまな理由から、相続しても住まないケースが増えているということです。
さらに相続人の間で「残したい」「早く処分したい」と意見が分かれて結論が出ず、放置されてしまうパターンもあります。