近年、不漁が続き価格も上がっている食卓の味方・サバですが、日本海側などで異例の大漁というニュースも入ってきています。今後、漁獲量はどうなっていくのか。気になる価格についても取材しました。

東京・池袋の百貨店で、きょうから始まった物産展。

早朝6時から行列ができる京都の名店「本家第一旭」の3種類のチャーシューが豪華にのったラーメンに…。ひときわ行列ができていたのは、たこ焼き発祥の店と言われる「会津屋」。ソースなしで美味しく食べられる大阪の元祖たこ焼きです。

そう、この物産展には「京都・大阪」に「滋賀」と「福井」の名物が集まっているんですが、なぜなんでしょうか。

東武百貨店 池袋本店 販売推進部 両角哲さん
「滋賀・京都・福井には『鯖街道』と呼ばれるルートがあり、各県の特徴があるサバ寿司を集めました」

古くから福井でとられたサバなどの海産物を京都まで運ぶために使われた「鯖街道」。それにちなんで、サバ寿司をメインに名物を集めたといいます。

京都 御室 佐近 杉山俊樹さん
「昆布と金ゴマで混ぜたシャリを使っているので、醤油のいらないサバ寿司となっています」

焼いて良し!漬けても良し!のサバですが、近年は不漁が続いてます。漁獲量は2018年の54.5万トンから年々減少し、去年は半分以下にまでなっています。

その一方で、青森の八戸港では3年ぶりのサバ豊漁となったほか、今年6月に富山湾での漁獲量が平年のおよそ7倍を記録するなど、日本海側で豊漁の知らせが相次いでいます。

都内にあるサバ専門店。塩焼きにしたサバをほっかほかのご飯の上に乗せて、あっつあつの出汁をたっぷりと。名物・サバのお茶漬けも絶品です。

日本海側などでのサバ豊漁で、仕入れ価格に変化はあったのでしょうか。

下北SABA食堂 佐助酒場 星幸輔 代表取締役
「市場価格が下がるのかなとはちょっと思っていましたけど、現状は変わっていないですね」

結局、サバは不漁なの?豊漁なの?専門家は…

東京海洋大学 勝川俊雄 准教授
「太平洋側は良くなくて、日本海側は去年よりも伸びているかな。資源が減って漁獲も減ってしまった現状の中では、水揚げがまとまりましたよという」

サバが減少傾向にあることに変わりはなく、漁獲量をもっと制限しなければ、さらにとれなくなってしまう可能性があるといいます。そのうえで、価格も値上がりしていく可能性があるといいます。

東京海洋大学 勝川俊雄 准教授
「世界的に魚の価格が上がって、ノルウェーからのサバも値段が年々高くなっているので、店に置いてあるサバの値段も上がるという仕組みになっています」