「おい西崎 あれは『大和』のため息だ」 沈みゆく戦艦「大和」を目にした “沖縄水上特攻”

故 西崎信夫さん(帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)提供)

戦況がますます悪化する中、1945年4月「雪風」に下った命令が、戦艦「大和」など10隻による“沖縄水上特攻”でした。アメリカ軍機の猛攻撃に、味方の船がつぎつぎ沈没していく中、西崎さんはある光景を目にしたといいます。

故・西崎信夫さん
「足の下から、どすーんと突き上げるような衝撃。みたらちょうど右舷の前方に、大和が沈没するのを目撃した。これはすごい爆発だった。それと一緒にきのこ雲が、真っ黒い煙があがった。途中で見ていたら大和の船底が真っ二つに折れて、この真っ二つに折れた船底が、ずーっと並列して上がっていった。ああっと言って驚いたら、今度はこれがズーッと落ちた」

「波間のほうから、ずっと遠くから、ヒューヒューヒューと聞こえる。それを聞いていた機関科の古参兵が私にこう言った。『西崎、あれは大和のため息だ。大和も死んでも死にきれないんだ』と」
(「帰還者たちの記憶ミュージアム(平和祈念展示資料館)」撮影証言映像より)