戦後80年 改正議論される憲法
憲法で定められた「国民主権」。その柱は、安蔵たちが起草した要綱にも、はっきりと書かれています。
日本国ノ統治権ハ日本国民ヨリ発ス

要綱の最初は、この条文で始まります。
要綱の中には、憲法25条で保障されている「生存権」の基礎となる文言が登場するほか、言論や信教の自由についても、盛り込まれています。発表された要綱は、GHQも強い関心を示し、日本国憲法制定に、大きな影響を与えたとされています。
志賀さん「結局憲法っていうのは、いろんな国民主権から基本的な人権の尊重とか平和主義とかってあるわけだね。そういう大きなこの憲法の枠の中で、政治、政府っていうのはやるべきだと俺は思っている。ところが肝心な平和については、まるっきり底抜けでしょ」
ガザやウクライナでは、いまも戦争が続き、世界の平和は、遠のいています。

軍事面で、アメリカと緊密に連携する日本。こうした状況に、志賀さんは危機感を募らせています。
志賀さん「前は新しい戦前っていう言葉だったけど、いまは新しい戦中なんですよ。もう戦中。戦死者が出ないだけで、いつ出ても不思議じゃないんだよ」
憲法とともに歩んだ、日本の戦後。
2015年には、歴代の政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が成立しました。終戦から80年が経過したいま、国会では改正も議論されるなど、憲法はいま、大きな曲がり角に来ています。
志賀さん「これほど憲法をないがしろにして、9条をないがしろにしてまかり通っているなんてちょっと考えられない。こんなの。ちゃんと正面からきちっとやるべきじゃないの。俺はそれが日本の民主主義の順序だと思うんだよ」