皆さんは誕生日にどんな思い出がありますか?年に1度の特別な日。経済的に困窮している家庭の子どもたちにケーキを贈るプロジェクトがあります。ケーキを通じて子どもたちが受け取るものとは。

家計を支える母は一日一食

小学生の鈴木ゆずさん(仮名)。母親のうたさん(仮名)と、2人で暮らしています。

ゆずさんが幼いころ、両親は離婚しました

母・うたさん
「一番は食費をいかに抑えるかですね。自分の(食事)は抜けばいい。朝昼食べなくても夜1食にすればもつ。(娘に)一緒に食べようと言われるけど食べない」

母・うたさんは高齢者施設で働き、一人で家計を支えています。

母・うたさん
「母の日にくれたものです。『いつもありがとう。ままのところに生まれてきてよかったと思ってるよ。大好き』って書いてあります」

ゆずさんの誕生日は一年に一度しかない大切な日。

母・うたさん
「子どもが誕生日会をやって欲しいと言った。ケーキに予算を使うと他のものが買えなくなる。誕生日会はしてあげられなかったです」

支援団体のもとには、他の家庭からもこんな声が届いています。

母親・40代(支援団体のアンケートより)
「夏休みどこにも連れて行けず、せめて誕生日だけでも大きいケーキを食べさせてあげたい」

母親・30代(支援団体アンケートより)
「経済状況を心配して『プレゼントもケーキもいらないよ』と言っていた息子。優しい子なので申し訳なく思います」

母親・40代(支援団体アンケートより)
「『ごめんね』という誕生日ではなく、『おめでとう』と親子で笑顔になれる日にしたい。生まれてきたことを喜んでもらいたいです」

認定NPO法人チャリティーサンタ 代表理事
「『お誕生日のおかずを用意するのもやっとです』。だったらケーキは難しいよね」

認定NPO法人「チャリティーサンタ」は毎月、困窮家庭の子ども達に誕生日ケーキを届けています。

認定NPO法人チャリティーサンタ 河津泉 理事
「世の中には生活の支援、例えば食事の支援もあると思う。ただ、子どもたちの思い出を支える支援、こういう支援が必要だと思います」

ケーキ代の資金は、寄付やクラウドファンディングなど。子ども達に送られる誕生日ケーキには、たくさんの人達の願いが込められています。