「飛行機の腹がパッと割れて…」
どれくらい走ったでしょうか。畑のような開けた場所に出ました。すると、はるか向こうの空にB29爆撃機の編隊が見えたといいます。次の瞬間でした。
「飛行機の腹がパッと割れて、バーっとごみを散らすように…爆弾だったと思うんですけども、ごみを捨てるようにバーバーと何かを落としていった」。
次から次へと飛来し、爆弾や焼夷弾を投下していく。やがて、飛行機は自分の頭上へ。一緒に逃げていた男性が「年寄りと子供は中入れ」と野田さんたちを農機具小屋へと押し込みました。一緒にいたお年寄りは、必死に念仏を唱えていたといいます。
「たとえ、頭の上で爆弾を落としてもそれていくから」。大人たちは何とか落ち着かせようとしますが、野田さんはまるで、上からもうすごい重さでぎゅうぎゅうと押されて息ができないような感覚になったといいます。言葉にできないほどの恐怖でした。