猛暑で家計負担増か 考えられる3つのシナリオとは
高柳キャスター:
猛暑が家計にどのくらい影響を与えるのか。第一生命経済研究所は、猛暑によるインフレの影響について7月に3つのシナリオを試算しました。

【猛暑インフレによる影響】(4人家族の月平均)
※第一生命経済研究所 柏村祐 主席研究員によると
▼価格高騰シナリオ
・記録的な猛暑
・干ばつや局地的豪雨が頻発
・野菜・コメが全国的に不作
・価格が急騰
▼標準シナリオ
・全国的な猛暑
・大規模な天候不順は限定的
・野菜価格全体で高止まり傾向
▼安定シナリオ
・気温は高め
・天候は比較的安定
・農作物の生育が順調
髙見記者:
7月に発表された段階では、半分以上の確率で「標準シナリオ」になるのではないかと試算されていました。

「標準シナリオ」では、4人家族の月平均で食費は3000円〜5000円程度、電気・ガス代は2000円〜4000円程度増加し、年間支出は最大10万円超増えるのではないかという試算です。
井上貴博キャスター:
天候相手だと不確実要素が多いと思いますが、その中で政府・日銀ができることを含めてどのようなことを感じますか。

慶應義塾大学教授・教育経済学者 中室牧子さん:
気温が上昇することで、農作物の収穫量が減るということと、輸出が減ることで、経済成長にマイナスの影響があることは既に明らかになっています。
非常に保守的な推計でも、▼現在のような温暖化の影響で、今世紀末には農作物の収穫量が、約30%減少すると予測する推計があったり、▼1℃の気温上昇で、経済成長率が約2ポイント減少すると予測する研究もあります。
人口は増加していきますから、温暖化の時代に食糧需給の問題についてしっかりと考えていかなければならないと思います。
井上キャスター:
日本の人口は減少していくと予測されており、地球温暖化は止められません。その中で何ができるのでしょうか。
中室牧子さん:
暑さに強い品種の改良を進めたり、農業をより大規模化していくなどの政策が必要になってくると思います。