明治時代中期から続く鹿児島県霧島市の妙見温泉では、記録的大雨で旅館に土砂が流れ込み、大量のキャンセルも起きています。
霧島市の山あいを流れる天降川流域の妙見温泉です。11の旅館やホテルが軒を連ねています。しかし、今回の記録的大雨で…

(記者)「川沿いにある浴室です。浴槽にはまだ泥が溜まったままになっています。従業員がスコップを使って泥をかき出すなど復旧作業が続いています」
およそ140年の歴史のある妙見館です。天降川と中津川の合流地点に位置しています。川が氾濫し、浴室や脱衣所に大量の土砂が流れ込みました。館内の4つの大浴場のうち2つが被害を受けました。
(従業員)「重い、水を含んでいるから。掃除をして早くお湯をためて、お客さんが入れるようにしないと」
妙見館では、大雨の後も被害を受けていない浴場を使って営業を続けています。しかし、あす13日から5泊を予定していた30人以上の団体客のキャンセルもあり、今後に不安を感じています。
(妙見館 橘翔士代表)「頭が真っ白になったが、県外の人なので、そういう判断をするのは仕方ない」
旅館では大量のキャンセルをSNSで発信し、広く利用を呼びかけています。

同じ妙見温泉の妙見石原荘です。今月8日の大雨で、建物の出口のところまで濁流が押し寄せ、間一髪、難を免れました。
(妙見石原荘 石原大佑社長)「大体このあたりまで(水が来た)きれいに竹垣があったが、川の勢いで流されている」
建物には被害はなく、当時40人ほどいた宿泊客も全員無事だったということです。
(妙見石原荘 石原大佑社長)「私の経験上、一番増水した。年長者に聞いても8・6水害の時以上に水が上がったのではないか」
新燃岳の噴火もあって客足が遠のいていた矢先の大雨でした。
(妙見石原荘 石原大佑社長)「お盆のかき入れ時で今からだぞ、という時に水害があって、キャンセルはだいぶ多かった。客から応援の声ももらって、予約も少しずつ増えてきている」

被害は旅館だけではありません。妙見温泉から観光スポットの和気神社へ続く県道は、大規模ながけ崩れが発生。妙見温泉の周辺では、電話やインターネットが使えなくなっています。
(妙見館 橘翔士代表)「協力しながらお風呂だけはうちを使ってもらうなど、地域みんなで協力しながら乗り越えている」














