気象庁は11日午前0時17分、長崎県、熊本県で線状降水帯が発生したと発表しました。また、11日午前0時20分、熊本県に大雨特別警報を発表。これまでに経験したことのないような大雨となっています。何らかの災害がすでに発生している可能性が高く、警戒レベル5に相当します。命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保しなければならない状況ですので、最大級の警戒をしてください。
九州北部地方では福岡県や大分県、熊本県、長崎県で線状降水帯が相次いで発生。非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていて、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。
線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性のある地域と期間は、以下のとおりです。
●福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県は11日朝にかけて
●宮崎県、鹿児島県(奄美地方を除く)は11日昼前にかけて
気象庁によりますと、前線が東シナ海から西日本日本海側を通って東北地方へのびており、前線上の低気圧が日本海西部を東北東に進んでいます。前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、大気の状態が非常に不安定となっています。
特に九州北部地方では、線状降水帯による猛烈な雨が断続的に降っており、10日21時までの24時間降水量が400ミリを超える記録的な大雨となっています。このため、土砂災害や洪水災害、浸水害の危険度が非常に高くなっています。
12日にかけて、前線は西日本日本海側から東北地方に停滞し、前線上の低気圧が次々と通過していく見込みです。このため西日本から北日本にかけて、大気の非常に不安定な状態が続くでしょう。
九州北部地方と九州南部では11日にかけて、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。引き続き、九州北部地方では11日朝にかけて、九州南部では11日昼前にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。
降り始めからの降水量が、福岡県では400ミリを超えている所があるなど、九州北部地方では記録的な大雨となっています。また、山口県や福岡県、長崎県では24時間降水量が観測史上1位の値となっている所もあります。
10日22時までの降水量(アメダス速報値)
・山口県
下関市竹崎 385.5ミリ
宇部 322.0ミリ
・福岡県
宗像 439.5ミリ
福岡市小呂島 406.0ミリ
・大分県
日田市三本松 251.5ミリ
日田市椿ヶ鼻 245.5ミリ
・佐賀県
鳥栖 209.0ミリ
佐賀空港 191.0ミリ
・熊本県
甲佐 319.5ミリ
山都町原 254.0ミリ
・長崎県
壱岐市芦辺 379.0ミリ
壱岐空港 373.0ミリ
[雨の予想](多い所)
11日までの予想1時間降水量
山口県 30ミリ
福岡県 80ミリ
佐賀県 60ミリ
長崎県 60ミリ
大分県 80ミリ
熊本県 80ミリ
12日0時までの予想24時間降水量
山口県 100ミリ
福岡県 250ミリ
佐賀県 200ミリ
長崎県 200ミリ
大分県 250ミリ
熊本県 250ミリ
13日0時までの予想24時間降水量
山口県 60ミリ
福岡県 100ミリ
佐賀県 100ミリ
長崎県 150ミリ
大分県 80ミリ
熊本県 80ミリ
土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。落雷や竜巻などの激しい突風に注意してください。発達した積乱雲の近づく兆しがある場合には、建物内に移動するなど、安全確保に努めてください。