受け継がれる「事故の記憶」はJAL社員も 事故知る世代は2026年中に「0」へ

遺族たちが「空の安全」について思いを託す日本航空。しかし、今年3月末時点で、日航の現役社員1万4023人のうち、事故当時に入社をしていたのは17人で、わずか0.1%です。さらに、このままのペースでいけば2026年中に、事故を知る現役の社員が「0」になることが、その後の取材でわかりました。当時を知る社員が少なくなる日航では、事故の伝承が課題となっています。

7月25日、パイロット候補生や空港で働く地上係員など全国から集まった日航グループの新入社員22人が御巣鷹の尾根に登りました。日航は事故の記憶を引き継ぐために、新入社員や入社10年目の社員など、節目の年に「安全研修」として御巣鷹山を訪れます。

遺品や、事故の機体を保存している「安全啓発センター」の運営を行う社員から説明を受けながら登り、「昇魂の碑」の前で、「空の安全」を担う者として、新入社員たちは誓います。

松隈佳奈さん(23歳)地上係員
「遺族の方たちが残してくださっている情報であったり、お話に関心をこれからも持ち続けて、情報知っていく。それを積極的に発信して、これからの世代の方たちにも繋げていきたい」

中村駿介さん(23歳)パイロット候補生
「誰か1人が安全に対して意識が高い状態では駄目だと思っていて、全員が全員、高い安全に対する意識を持つ。そして、それを助長できるような人間になりたい」

託された事故の記憶が「空の安全」の礎になっていきます。