大山気象予報士の解説です。

霧島市、いったん午前10時現在では雨が弱まっているとありましたが、雨が弱まっても油断はしないでください。

霧島市にはお伝えしていますように、大雨特別警報が出ています。命を守る行動をとってください。これまでに経験したことのないような大雨となっています。この後も最大級の警戒をしてください。

大雨をもたらした線状降水帯はきょう8日未明から明け方に薩摩・大隅地方の北部に発生しました。非常に激しい雨が同じ場所で降り続きました。

では、きのう7日の夜からの雨雲の動きです。西から非常に発達した雨雲が次々に薩摩・大隅地方に流れ込み続けました。

この時間は発達した雨雲は薩摩・大隅地方の南部にありまして、8日朝までに比べますと強い雨の範囲は南に移っています。

ここ24時間に降った雨の量です。大雨特別警報の発表されている霧島市では500ミリを超えています。観測史上一番の大雨となっています。

平年の8月一月に降る雨の量の2倍近くの雨が、この24時間で一気に降りました。

土砂災害の危険度分布です。この時間は赤の表示、警戒が薩摩・大隅地方北部の広い範囲にあります。特別警報の出ていないところでも、土砂災害には厳重な警戒が必要です。崖など危険な場所からは離れてください。

雲の様子と気圧配置をご覧ください。東西に長く伸びる前線が九州北部付近にあります。鹿児島県内はこの前線の南側にあたって、かなり強い暖かく湿った空気が流れ込んでいます。このため、薩摩・大隅地方は大気の状態が非常に不安定になっています。

そして、9日の予想天気図です。9日の夜を見ますと、このように前線の位置が9日にかけてほとんど変わらず、しかも前線の活動は活発です。

では、雨の予想をご覧ください。8日お昼12時から動かします。雨がこの後、一旦弱まっても油断しないでください。また、強まるおそれがあります。9日にかけて薩摩・大隅地方は激しい雨、非常に激しい雨の降るおそれがあります。

では雨の量の予想です。薩摩大隅地方で予想される雨の量は多いところで、1時間に50ミリから70ミリ。9日朝までの24時間には150ミリから200ミリ。その後、10日朝までの24時間には100ミリから150ミリです。

土砂災害に最大級の警戒、そして低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒をしてください。