「平和をどう築いていくか…」その先にある願いとは

そして6月23日、「沖縄 戦没者慰霊の日」。玉城さん親子の働きかけが実った。戦後80年の節目に6人のアイヌたちが儀式を行うため20年ぶりに南北之塔を訪れた。アイヌたちは木を削って作った神へのささげ物、「イナウ」を使って祈るのが伝統だ。
「イチャルパ」を行ったアイヌ 秋辺デボさん
「みんなの協力のおかげで、きょうこれが実現したということで、本当に私は嬉しく思っています」
南北之塔で、先祖供養・イチャルパが復活した。その様子を地元住民たちが見守る。

「イチャルパ」を行ったアイヌ 秋辺さん
「ここで亡くなられた兵士・民間・もしかしたらアメリカ兵も含めて、冥福を祈らせていただきました。誰かが死ぬのを平気な顔で見ていられるほど、俺は神経強くない。戦争やめて欲しいと言いたい。ここ(南北之塔)はそういうことを語るにふさわしい場所だと思っています」
イチャルパの後は沖縄の人たちが追悼。慰霊碑の前で静かに手を合わせた。

真栄平区長 照屋仁裕さん
「できれば毎年一緒に同じ日にやりたい。ただやっぱり儀式が違うから合同では難しいけど、同じ日に時間をずらしてもいい、今日のようにやっていきたい」
両者をつないだ玉城さんは…

玉城寿明さん
「まずは滞りなく無事に終えることができて嬉しい。平和をどう築いていくかっていうと、やっぱり今を生きている人たちが、この南北之塔を知って自分たちに何ができるのかを一緒に考えていく。そういう場にしたいなというふうに思っています」
追悼の後、地元の子どもたちとアイヌたちが共に歌い踊った。
参加した人
「一緒に踊ってくれるんだな、(アイヌは)すごく優しい人たちだなって。だから今日来てよかった」
「めちゃ来てほしい、また来てもらってまたお話したい」
差別を乗り越え、戦争を二度と起こさない。南北之塔の前で願う。
