口から泡ふいた子の搬送も“徴収” 母親「納得できない」
三重県松阪市では2023年、救急車の出動件数が過去最多となり、2024年6月に救急搬送をめぐる選定療養費の導入に踏み切りました。
市内に住む30代の女性は、2024年の年末、当時1歳の息子が救急搬送されました。

松阪市内の女性(30代)
「気付いたら(息子が)泡を吹いて魚のように波を打って、目も白目をむいている状態で。とにかく何かあってはいけない、どうしようという気持ちでした」
息子の身に起きたのは、激しい熱性けいれん。女性は冷静に対応しました。
松阪市内の女性(30代)
「私が救急車を呼ぶかどうかの方に(相談窓口#7119に)お尋ねをして、主人がかかりつけ医の先生に電話で聞いたけど、もうどちらも『すぐ呼んでください』という状況だった」

ところが、救急搬送中に息子の意識は回復。病院で診察した医師は女性に対し、「帰宅してもいいし、入院してもいい」と伝えたといいます。
松阪市内の女性(30代)
「では“一旦帰って様子を見る”としたところ、『選定療養費を』という形だった。“緊急性がなかった”と捉えるんですかと言ったら『そういうわけではないけれども、入院しないので』と言われたんです」
女性は緊急性の有無を、入院するか、しないかで判断されたとして、今も納得できない思いを抱えています。
疑問を感じた人は他にもいます。

沖和哉さんは今年5月、3歳の長男が突然息切れを起こし、かかりつけ医の指示に従って救急車を呼びました。しかし搬送中に症状が治まり、7700円の選定療養費を徴収されました。

沖和哉さん(46)
「先生(かかりつけ医)の指示をもって救急車を呼んでいるのに『え、要るの?』みたいな。『え?何で』って、そういう感じですかね」
松阪市議を務める沖さんは当事者となった今、改善を訴えています。
沖和哉さん(46)
「小児の部分に関しては、もうちょっと緩和というか、柔軟な対応・運用ができるような制度設計に修正してもらいたいなと」