碑は風化しない…反戦のため頑張ってくれよ

北村竹弘(10年前の取材)
「あっという間にどーんと直径15mかな。穴がダーンと」「防空壕に行ってこうやってみたら黒煙がダーッと恐ろしくて恐ろしくて」

あれから10年。北村さんは脳梗塞を患い、思うように言葉が出てきません。しかし、私たちに力強く語った反戦への思いは残酷なほど、心に刻まれています。

北村竹弘さん(87)
「あんたら反戦にずっと…頑張ってくれよ」「80年目の涙…」

北村さんと『模擬原爆』の歴史を今につないでいるのは鈴木善作さん(74)です。

鈴木さんの父親は模擬原爆で一家4人を亡くし、退職金で慰霊碑を建立。鈴木さんはその慰霊碑で毎年追悼式を行っています。

鈴木善作さん(74)
「碑(いしぶみ)は風化しないけど、伝える人たちがいなくなってしまうよね」「どうやって平和を維持していくかということを皆さんと話して続けていかないといけない、努力していかなくちゃいけないと思います」

人類史上初めて核兵器が使用された広島と長崎の惨劇は、富山ともつながっています。北村さんがカメラに向かって言われていた「反戦のために頑張ってくれよ」という訴えは、私たち戦争を知らない世代が戦争を伝える、戦争を知る責任と使命を再確認させてくれます。