「メリット・希望が持てる」厄介者が○○に!?
徳島県鳴門市のサツマイモ畑。そのすぐそばの水路でも特定外来生物ナガエツルノゲイトウが猛威をふるっていて、重機を使った駆除作業が行われました。ただ、ナガエツルノゲイトウは茎が空洞になっていて節から折れやすく、カケラからも繁殖するため最後は人の手ですくう必要があります。
(地域住民)「途中でパツパツ切れてしまう。残っているやつが子や孫という形で分解していって増えていって、ひと月したら1mの範囲、もうひと月したら10mの範囲という形で増えていっているので」
そんな厄介者を「あるモノ」に生まれ変わらせようという取り組みが始まっています。
(鳴門市環境共生部・辻宏人さん)「これはナガエツルノゲイトウで作った堆肥になります」
香川県で環境技術の開発に取り組む企業「キョーワソリューション」。シャベルですくっているのは独自に開発された「発酵促進剤」です。
これを乾燥させたナガエツルノゲイトウに混ぜて発酵させていくと最終的に「堆肥」になるのです。実は折れやすい構造を持つナガエツルノゲイトウは発酵促進剤が混ざりやすく、堆肥にするのに適しているというのです。
(キョーワソリューション・藤岡憲二社長)「ナガエツルノゲイトウは肥料としての成分も高く、土壌改良材には非常に良い強力な資材になる。それだけでもメリットになる」
鳴門市では今年、ナガエツルノゲイトウで作った堆肥を無料で配布。用意した300袋が一日で無くなる人気ぶりで、堆肥を使った市内の花壇には綺麗なコスモスが咲きました。
(キョーワソリューション・藤岡憲二社長)「回収したやつは焼却処分しかない。堆肥化ということになれば、メリット・希望が持てるので、いいんじゃないかなと思います」
“地球上最悪”の侵略的植物ナガエツルノゲイトウとの戦い。一筋の光が見えてきています。