「2年かけて死滅させたのにまた生えて…」
神戸市のお隣、兵庫県稲美町にあるため池。その水際には、いたるところに黒いシートが敷かれています。ため池を26年にわたって管理する西澤一弘さん、「ある植物」を覆うためのシートだといいます。めくってみると…
(ため池を管理する西澤一弘さん)「まだ枯れていない。ここら辺がまだ青いから。ムカーっとする!」
白い花を咲かす水草、ナガエツルノゲイトウ。南米由来の特定外来生物です。稲美町では2018年に確認され、2023年にはため池の水面が大量発生したナガエツルノゲイトウに覆われてしまっていました。旺盛な繁殖力を持つことから「地球上最悪の侵略的植物」とも呼ばれます。
国の許可を得て撮影した実験映像では、茎の節から新たな茎や根がどんどんと伸びていき、わずか2週間で8cmも伸びました。たった2mmの茎からも再生するため草刈りをしても撲滅できず、他の植物の生息地を奪ったり水質の悪化を招いたりしてしまいます。
西澤さんや近隣住民らは繁殖を抑えようと日光を遮るシートを被せる対策を実施。数は減らせましたが根絶には至っていません。
(ため池を管理する西澤一弘さん)「せっかく2年かけて遮光して死滅させたのにまた生えてきている。除去するには手のかかる憎たらしい植物です」
ナガエツルノゲイトウは各地で猛威をふるっています。びわ湖から街へと繋がる水路では水の流れを邪魔するほどビッシリと生え、淡路島にあるため池は水面が見えなくなるほどに。どんどん勢力を拡大しています。