語り継ぐ家族の想い

兄の亨さんは空襲の記憶をつなごうと、2003年に開館した長岡戦災資料館の設立にも関わり、2005年に76歳で亡くなりました。

小学生のときに長岡空襲を経験した亨さんの妻・恵子さんも、語り継ぐ重みを感じています。

亨さんの妻・小林恵子さん(91)
「私らはやっぱり身近に、実際に火を見て逃げて… “戦争って本当にここにあるんだ”という思いがある。戦争は簡単に起きてしまうけども、平和は簡単に戻らない」

今も残る「痛み」と「使命」

遠藤さんの足に残る焼夷弾のやけどの痕は、80歳になった今もまだ時々痛むそうです。

80年前の“あの日の記憶”はありませんが、その痛みは、母や兄から聞いた“戦争”を次の世代につなぐ使命感を一層強くさせます。

「80年前のことを、今も同じことをやっているんだもん。世界のあちこちで。経験した人がいなくなったらどうなるかなと思うときもあるんです。だから、やっぱり伝えていかなきゃならない」