逃げ惑う中で、遠藤さんの叔母が犠牲となりました。
そして、遠藤さん親子には、さらに大きな悲劇が襲いかかります。

遠藤好子さん(80)
「柿川沿いのところに畑があって、そこに家族6人が折り重なるように、かばい合うように亡くなっていたそうです」

父の定吉さんと2人の兄、そして姉に、2人のいとこの6人が、実家のそばで亡くなりました。

遺体を火葬したのは、学徒動員のために火の手を逃れた一番上の兄・小林亨さんでした。当時16歳でした。

遠藤好子さん(80)
「(母と)2人で一晩中泣き明かしたそうです。なかなか気丈な母でしたので、『自分は空襲のときに一生分の涙を流したから、ちょっとやそっとのことで涙は出ない』って、私に言ってくれました」