地震発生から30時間以上続いた津波注意報に、避難した人やフェリーで足止めとなった人など県内各地で対応に追われました。30日からの動きを振り返ります。

県内では志布志市、日置市、肝付町のあわせて2万4320人に一時「避難指示」が出されました。太平洋に面する肝付町では、指定避難所の内之浦総合支所に、児童や教員ら20人以上が避難。

2011年の東日本大震災を教訓にした訓練が生かされた場面もありました。

(内之浦学童クラブ 松脇勝代さん)「日ごろの小学校の訓練があったので(子どもたちが)『先生!』と言ってすぐに遊びをやめて私のところに来た」

県内各地の海水浴場も軒並み閉鎖されました。

(監視員)「注意報が出たので遊泳禁止にした」

一夜明け、志布志港では31日になって津波の最大波を更新。31日午前4時ごろに40センチ、さらに午前6時40分ごろ50センチの津波を観測しました。

その後、津波は徐々に弱まり、気象庁は31日午前11時ごろ、種子島・屋久島地方を除く鹿児島県内の津波注意報を解除しました。

志布志市の文化会館に避難していた老人ホームの入所者は…

(老人ホーム入所者)
「眠れなかった。一晩寝ていない」

「やっぱり住み慣れたところがいい」

施設では年2回津波を想定した訓練を行っていて、今後も続けると話しています。

(宝寿園 新村輝昭園長)「早い段階で避難を決めて、すぐ移動することをスタッフ間で決められた」

鹿児島市の磯海水浴場では津波注意報の解除を受け遊泳禁止の看板を撤去し監視用のイスやボートを出していました。

(鹿児島市からの親子)
「(注意報が)解除されて最高。貸し切りですよ」
「人が少ないので最高」

奄美航路のフェリー波之上は、31日午前5時に名瀬港に入港予定でしたが、津波注意報が出されていたため沖で待機していました。注意報が解除されたあと、およそ7時間遅れで入港しました。

(長崎県から帰省)「台風とトカラ地震がおさまったのでやっと帰れると思ったら今回の津波だった、すごい経験だった」

今後1日程度は海面変動が続くと予想され、気象庁は海に入っての作業や海水浴などに十分な注意を呼びかけています。