ねぶた師・立田龍宝さん 墨の代わりに“紺色”で表現した「波の龍」

小野寺アナが最初に訪ねたのは、ねぶた師の立田龍宝さん(40)。元高校教師という珍しい経歴のねぶた師です。小学5年生の頃から師匠である内山龍星さんのねぶた小屋へ通い、中学2年生で弟子となりました。ねぶた師としてのデビューは2013年。4年間勤務した県立青森工業高校を退職した翌年、青森青年会議所の大型ねぶた制作を師匠から任され、「倭し美わし」で初陣を飾りました。

小野寺紀帆アナウンサー
「2025年もまた、迫力のあるねぶたが出来上がりました。題材についてまず教えてください」
ねぶた師 立田龍宝さん
「今年は、青森港が開港して400年という年で、その当時かなり尽力された森山弥七郎という人物に焦点を当てて制作しました」

立田さんが制作した大型ねぶたの1つが青森青年会議所の【森山弥七郎 青森開港の誉れ】です。このねぶたは、開港の誉れを受け、青森の明るい未来に向けて奔走する弥七郎と、荒波の中で文化を伝播してきた北前船の勇壮さ、そしてそれを見守る神々を表しています。

ねぶた師 立田龍宝さん
「開港400年と合わせて、森山弥七郎が指を掲げてみんなで同じ方向を向いていこうという構図にしています」

小野寺紀帆アナウンサー
「すごく特徴的だと思ったのが、龍。墨で描いていないですね」
ねぶた師 立田龍宝さん
「気づきました?髭とか輪郭、鱗は普通は墨を使って描いていくんですが、開港400年の年なので『青森の波』ということで、今回は『波の龍』を表現したくて、紺色を墨の代わりに使って輪郭を描いています。この線は私の中では狙っているところでして、明かりがついて動いてどう見えるか。初日を楽しみにしているところです」

小野寺紀帆アナウンサー
「たしかに龍のようにも波のようにも見える色合いですね」
ねぶた師 立田龍宝さん
「そう見えていたら嬉しいですね。小屋は締め切った状態ですのでかなり暑いんですけども、熱中症にもならずにスタッフ共々、最後までたどり着けたので、あとは盛り上がる祭りを楽しむだけです」

立田さんが制作した青森青年会議所の大型ねぶた【森山弥七郎 青森開港の誉れ】は、祭り開幕日の8月2日(土)から夜間の運行が最終日となる6日(水)まで毎日運行されます。