アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は政策金利を据え置きましたが、2人の理事が利下げを支持して反対票を投じる異例の展開となりました。

FRBは30日、金融政策を決める会合を開き、4.5%を上限としている現在の政策金利を5会合連続で据え置くことを決めました。

パウエル議長は関税が経済に与える影響はなお不透明だとして、先行きを見極める姿勢を示しています。ただ、ボウマン副議長とウォラー理事の2人は、0.25%の利下げを行うべきだとして反対票を投じました。FRBの7人の理事のうち、2人が反対したのは32年ぶりです。

2人は、早期の利下げを強く主張するトランプ大統領が第一次政権のときに理事に指名した人物で、ウォラー理事は次のFRB議長の有力候補の1人とみられています。

また、パウエル議長は記者会見で、9月の会合で利下げする可能性について問われましたが、「9月の会合に関する決定は一切行っていない」と述べるにとどめました。

市場では、パウエル氏から9月の利下げを示唆する発言が出るという期待がありましたが、そうした発信はなく、パウエル氏が9月の利下げにも慎重な姿勢を示したとの受け止めが広がっています。