マグニチュード8.7の地震で宮崎県に7月30日から31日にかけて津波注意報が発表され、北海道から近畿地方にかけては一時、津波警報に引き上げられる事態となりました。
夏休みシーズンで海や川の近くで過ごす人も多い中、私たちはどのような点に注意すべきなのでしょうか。
防災心理学が専門の九州大学・杉山高志准教授にお話を伺いました。
※聞き手:MRT 川野武文アナウンサー 加藤沙知アナウンサー
※7月30日(水)午後6時20分ごろにMRTテレビで生放送
「遠地津波」は内陸奥深くまで到達する恐れも
川野武文アナウンサー
先生、まずは宮崎県に※津波情報が発表されていますが(※31日午前に宮崎県は津波注意報は解除)、どのような注意が必要でしょうか?

九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
今回、私たちが注意しなければいけないのは「遠地津波」と言われるものです。
「遠地津波」とは遠くで起きた地震による津波です。これは普段の津波とは違って、奥まで津波が到達する恐れがあるものなので、通常の津波と違って注意が必要です。
加藤沙知アナウンサー
奥までというのは内陸部までということでいいんでしょうか?
九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
その通りです。周期が長い津波という特徴を持ちますので、その辺りに注意が必要です。
加藤沙知アナウンサー
周期が長いというのはどういったことなんでしょうか?
九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
遠くで起きた地震のために、通常、我々が考える近くで起きる地震による津波とは違うということです。
そのために、通常考えられないような陸地の奥にまで津波が到達する可能性があります。
津波の高さにとらわれることなく、注意が必要だということです。
川野武文アナウンサー
一般的に考える波というのは、すぐ崩れるような波ですが、津波というのは塊となってやってきまして、この塊の周期が長いということですね。
ですので、「遠地津波」は数十cmや1mでも、これはかなり警戒が必要だと、油断をしないということですね。