
その特徴が顕著に現れたのが、1960年に発生したチリ地震です。日本から見て地球のほぼ反対側で起こった地震にも関わらず、100人を超える死者が出て数万戸の家屋が被害を受けました。高知県内では須崎市で、人的被害に加えて、養殖や漁船などにも大きな被害が出ました。
◆濵田洋平 主任研究員
「当時の須崎市の被害状況の資料を見ると、日本から遠い場所で起こった地震による津波である津波でも関わらず、まちの中心部が津波で浸かってしまった。やってくる波の形状、もしくは、海岸の形状が湾の形になっていると、津波の高さが変わる。場所によっては、その特殊な地形の形状によって波の高さが変わる・高くなるところもある」
警報・注意報が解除されるまで数時間を要することもある「遠地地震」。今回のように、場合によっては「気温が高い中での長時間に及ぶ避難」も予想されるため、避難の際は、熱中症対策も気に掛ける必要があります。

◆濵田洋平 主任研究員
「地震の揺れを感じないまま警報・注意報が出て、自分が避難の対象になる…という人が多かったと思います。『遠地地震』の特徴として『長時間の津波』になるので、『長時間の避難』になってしまう可能性があります。高知では南海トラフ地震に備えている人も多いと思いますが、今回のような『暑い中での長時間の避難』は、避難中に体調崩すこともあるので、普段の備えの中に『暑さ対策』もプラスしてほしいです」