
1952年11月5日の午前1時58分ごろ(日本時間)、カムチャツカ半島の沖合を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生し、津波が太平洋沿岸の広範囲に押し寄せました。日本にも北海道~本州の太平洋側を中心に2m前後の津波が押し寄せ、満潮時刻とも重なって大きな被害が出ました。
◆濵田洋平 主任研究員
「これは当時、函館の湾内の潮の高さを測った記録なんですけど…」
濵田研究員が私達に見せてくれたのは、この時に北海道・函館港内の検潮所の記録。これを見ていくと、当時、津波の第一波が函館に押し寄せ始めたのは「午前0時ごろ」でしたが、最も波が高くなったのは、第一波が到達してからおよそ9時間後でした。
◆濵田洋平 主任研究員
「グラフの波形の1つ1つが『津波』で、波が高くなったり低くなったり…の『差』がほとんど変わらず、ずっと続いています。最も波が高くなったのが午後3時過ぎ。最初の津波が到達してから、実に9時間以上経った後だったことがわかります」
Q.今回の場合で「9時間後」と考えると、30日夜~31日未明まで津波がくる?
◆濵田洋平 主任研究員
「そうですね。いま海の近くで避難している方も、体調に気を付けていただいて、内陸側に移動して“長時間”警戒していただければと思います」
長時間にわたって繰り返しやってくる「遠地地震による津波」は“減衰”しにくく、湾内など地形によっては被害が大きくなるのも特徴だといいます。