日本から離れた遠いロシアで起こった今回の地震は「遠地地震」と呼ばれますが、この「遠地地震」による津波は“ある特徴”があるといいます。私達も避難する際に押さえておきたい心構えやポイントについて、研究者に聞きました。

30日朝8時25分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近を震源とする地震がありました。地震の規模を示すマグニチュードは「8.8」で、一時、北海道から近畿までの太平洋沿岸の広い範囲に「津波警報」が発表されたほか、高知県には「津波注意報」が発表されました。

この地震について、プレート境界型の地震に詳しい、海洋研究開発機構・高知コア研究所の濵田洋平主任研究員は「かなり大規模なものだった」と分析しています。

◆濵田洋平 主任研究員
「ここ100年間で見ても、大きい方から10番以内に入るような、かなり大きな地震だったと思います」

今回のような、日本の沿岸から離れた所で起こる地震は「遠地地震」と呼ばれ、「同じような高さの津波が、長時間かけて繰り返しやってくる」のが特徴だといいます。

◆濵田洋平 主任研究員
「遠地地震による津波の特徴なんですが、地震の揺れが遠くで起こるので、揺れが小さい・揺れを全く感じないにも関わらず、津波が襲来する。遠くで起こることで『津波の周期が長くなる』という傾向があります。海面の変動が一見すると緩やかなんですが、大きな“うねり”を伴うような変動が長時間継続します」

◆濵田洋平 主任研究員
「今回の地震は南海トラフ地震とは関係ないです。プレートの関係も全く違いますし、距離的にも数千km離れている。南海トラフ地震と直接的な関係は一切ない、と考えています。太平洋プレートとオホーツクプレートの間で起こった地震なので、日本とも関連しそうな気もしますけど、『この地震によって、どこか別の場所で地震が誘発される』というのは、現在では考えられていません」

実は過去にも、今回の地震と似た大地震が起きていました。それは、1952年11月の「カムチャツカ地震」です。