面会交流後の父親「子どもと会うことで生まれる感情も絶対ある」

 11月13日。築城さんの隣を歩くのは、夫と別居中の母親とその子ども2人。向かっているのは別居する父親との面会交流の会場でした。

 子どもたちを送り届けた後、母親はその場を離れました。
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 (築城由佳さん)
 「この後、パパのお迎えに行くんですけど」

 築城さんは父親を迎えに近くの駅へ。両親が顔を合わせないようにする工夫です。
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 (子どもと面会する父親)
 「(子どもを抱き寄せながら)ははははは、久しぶりやな!おぉ、なに持ってきてくれたん?」

 30代の父親。妻とは離婚の話し合いをしていて、別居から数年が経ちます。子どもたちと会うのは2か月ぶりです。

 【スマホを見ながら話す2人】
 (子ども)「これいつ食べたん?」
  (父親)「お仕事でな、こんな感じで頑張った時があってん。こんなんしてな、大きい会場でな」
 (子ども)「これ何歳なん?」
  (父親)「最近や。これはおばあちゃんや、お前らの」
 (子ども)「これパパのおばあちゃんなん?」
  (父親)「そうやで」

 息子たちにこの時間を満喫してもらいたいと、父親はこの日、独楽(コマ)を持参してきていました。

  (父親)「まず見とき。行くぞ、すごいやろー!」
 (子ども)「(独楽を蹴る)」
  (父親)「おいおい。すごいやろー、めちゃくちゃ強いやろ」
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 これは「見守り型支援」で、スタッフが団体内で共有するため交流内容を記録します。

 (築城由佳さん)
 「素直に感情を出せているかとか、兄弟とかだと小さい子だと一緒に遊んでいなかったりするので、寂しい様子はないかとかね。子どもが言ってほしくないことを言ってしまう親もいるかもしれないので、そういうところは注意させてもらっています」
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 この日の面会交流は2時間。終わるころには父親は汗だくです。

 (別居している父親)
 「やっぱり楽しかったですねー、子どもたちと会えて。第三者が場を設定してくれないと会えないという人もいると思うので。会うことで生まれる感情とかも絶対あると思うので」

 次に子どもたちに会えるのはしばらく先です。

 (子ども)「ばいばいー」
  (父親)「ばいばい、じゃあな」

 帰る時も築城さんが最寄りの駅まで父親を見送りました。