撮影ブースに移動しても、じゅったんはぐっすり夢の中。抱っこの体勢を変えても、フラッシュが光っても、全然目を覚ましません。きみちゃんが、「このまま撮影して大丈夫です、起きませんので」と冗談めかして言うと、スタジオ全体が笑いに包まれました。

「はい、どーぞ!」
カメラスタッフが手のひらサイズのボールを手に、みぃくんの目線がカメラに向くように誘導します。おすまししていたみぃくんからも、笑顔がこぼれました。
わたしがみぃくんに最後に会ったのは、去年の9月。よちよち歩きだったみぃくんも、今は元気にスタジオをかけまわります。脇に置かれていた椅子にも、元気に飛び乗ります。
「ちょっと大変です、イヤイヤ期もあるので…」とちかさんは、苦笑いしながら優しい目でみぃくんを見守っていました。

着物、ドレス、うさぎの着ぐるみと、何枚ものお色直しを泣かずに乗り越えたじゅったん。その姿をきみちゃんは、「かわいい」とつぶやきながら、何枚もスマホで写真を撮っていました。

「月命日だったので…」
きみちゃんは、ことしの2月28日に、予定よりも1か月ほど早く、帝王切開でじゅったんを出産しました。
「28日は羅希(らき)の月命日だったので、何かの縁かなと思った」と、きみちゃんはかみしめるように話しました。