11月17日の新型コロナの新規感染者は1500人に迫るなど、感染が再拡大しています。
そして、「クラスター」も非常に多くなっています。
※「クラスター」とは、ひとつの施設などで"5人以上"の感染者が確認されること


去年、2021年の1年間に公表されたのは53件。そのうち、介護施設は8件でした。
一方、今年は17日までに692件公表されていて、そのうち230件、3割以上が介護施設でのクラスターとなっています。

こうした中、介護福祉施設などの関係者が、「クラスター発生の公表が現場で働く介護職員の心理的な負担になっている」などとして、公表基準の緩和などを求め、17日、県に要望書を提出しました。

第8波の到来も懸念される中で、介護の現場で働く人たちの声を取材しました。


17日午前、介護福祉施設の関係者が、新型コロナウイルスに関するクラスターの“公表基準の緩和”を求め、県の担当者に要望書を手渡しました。


県老人福祉施設協議会・峯田幸悦会長:「介護施設で非常にクラスターが発生していると報道がされている。職員の不安が非常に多い。公表についての基準の見直しを、ぜひご検討お願いしたい」

今年、介護施設で発生したクラスターの件数は、17日時点で「230件」にのぼります。


要望書では、クラスターの発生が公表されることで、職員の労働意欲の低下や介護業界に対するネガティブなイメージが定着することへの懸念が示されました。

県老人福祉施設協議会・峯田幸悦会長:「そもそも論としては、公表しなくても良いのではないかという考えを持っています。県には検討していただけるということなので、ぜひ国の方にもあげていただいて、この実情を理解していただければありがたい」

こうした中・・・


報告・長谷川亮:「こちらの会場では、介護従事者向けの新型コロナ対策の勉強会が開かれています。実際に働く現場の人たちの声を聞いてみたいと思います」

介護従事者:「高齢の方で免疫力が低い。入ってくるとしたら職員からの可能性が高いのでプレッシャーを感じる」

介護従事者:「毎日、ヒヤヒヤしながら業務をしています」


介護の現場で働く職員としては、「クラスターになるかもしれない」という緊張と隣り合わせの日々だと話します。

ただ、今回のクラスターの公表基準の見直しについて歓迎する声がある一方で・・・

介護従事者:「施設側にも気持ちの緩みが出るのは嫌なので、そのまま(=公表基準を変更せず)で仕方ないのかなって」

第8波の到来も懸念される中、今後、クラスターの公表基準のあり方などをめぐって踏み込んだ議論が求められます。