体験開始からおよそ1時間後。


紀柳店主 西澤紀子さん:「炊きあがりました。まわりもうっすらおこげができているようですね」


炊きたてのご飯が3合、味噌汁、それに地元のものを中心としたおかずおよそ10品のセット(体験+料理7500円完全予約制(米三合))は体験も合わせて7500円。

完全予約制で3500円のコースもあります。

店主の西澤紀子さんは、この場所で店を始めることに特別な思いがありました。


紀柳店主 西澤紀子さん:「(ここは元々どんな場所だった?)父の実家でして…」

家は西澤さんの父の実家で、父の弟が暮らしていたといいます。しかし、5年前に他界、住む人がいなくなっていました。

紀柳店主 西澤紀子さん:「私がこの家を継いでいくとなると維持をしていくのが大変だと思ったので壊してしまおうか、よその方に譲ってしまおうかと思っていたのですが、どうしても父がさみしがるんです。もう一度人が集まる場所を父親に見せてあげたい、元気なうちに見せてあげたいという思いで(店を)始めました」


西澤さんの父:「私がここにいたころは、この家は人が絶えなかった。『きょうはどうだや』なんて言ってしょっちゅう人の出入りがあった家ですから、まあ家も喜んでいるんじゃないですか」

築およそ250年で、国の有形文化財に登録されているという家。昔ながらの囲炉裏や土間が残った空間を活かして、リノベーションしました。


紀柳店主 西澤紀子さん:「金槌をほぼ持ったこともなく、父に毎回教えてもらいながら親子の関係も深まりつつできたんじゃないのかな」

西澤さんの父:「楽しかったですね。この子が小さい時、子育てのことを思い出します。(一緒に店をできて)よかったな。私もあとどのくらい元気でいられるか。なるべく元気に協力していきたいなと思っています」

父と娘の思いが詰まった家で「かまど」で作ったご飯を味わう。
古民家レストランが新たな魅力を発信しています。