GAFAに勝てない…インド最高峰「IIT」の採用戦線で日本企業が苦戦する理由
野村:
それほど優秀な人材がいるのであれば、日本企業も採用に動いているのでしょうか。
浜田:
数多くの日本企業が採用のためにインドを訪れています。しかし、採用競争でかなり苦戦しているのが実情です。特に最高峰のIITでは、大学側が就活ルールを決めており、学生は1社からしか内定を得られません。
野村:
独特なルールですね。
浜田:
12月に行われる面接期間は「Day1」から「Day6」のように日程が区切られています。「Day1」に面接できるのはGAFAを筆頭とするグローバル企業や世界的なコンサルティングファームで、彼らが優秀な学生をどんどん採用していきます。日本企業が面接の機会を得られても「Day6」といった後半になってしまい、その頃には優秀な学生の多くが内定を得てしまっているのです。
野村:
そもそも、良い学生に会うことすら難しいのですね。
浜田:
それに加えて、大きなネックになるのが給与です。GAFAクラスとは水準が全く違いますし、インドのグローバル企業は年15%ほど昇給することもあるそうです。彼らは給与交渉にも非常にアグレッシブですが、日本の横並びの給与体系では、「成果を上げたのになぜ給与が同じなのか」という彼らの要求に応えるのが難しいのです。