陛下も驚く 若いモンゴル人の日本への関心

モンゴルから日本への留学生は20年前と比べておよそ4倍に伸びているという。

1996年から日本政府奨学金留学生として山形大学に留学したガルバドラフさんもその一人だ。ガルバドラフさんは日本で教育学を学んだとき、「日本が発展した秘密は、教育にある」と考えたという。部活や、制服、給食、あいさつなど人間形成も含めた教育に感銘を受けたそうだ。

「日本のようにモンゴルも発展させたい」と考えたガルバドラフさんは、帰国してから日本式の教育を導入した学校をつくることにした。2000年、モンゴルで最初の日本式教育を取り入れた高校を設立。今では小中高に加えて、幼稚園や、工科大学なども併設した「新モンゴル学園」に。卒業生の35%を日本を始めとした世界のトップ大学に送り出している。

新モンゴル学園の創立者であるガルバドラフさん。 山形大学で教育学を研究した。

モンゴル訪問中、この学園に足を運んだ陛下は、ガルバドラフさんと、生徒たちに出迎えられた。並んだ生徒たちは「こんにちは。ようこそ」と日本語であいさつし、日本語の校歌を斉唱した。

黒板やチョーク、木の机や椅子があり、日本と錯覚するような教室。
セーラー服を着た女子生徒が、天皇陛下に「日本留学して教師になりたい」と日本語で夢を発表すると、陛下は「素晴らしいですね」と言って拍手を送られた。

その後、学園の卒業生らと懇談した陛下は、元生徒たちの流ちょうな日本語を聞いて、「日本語がみなさん発音も素晴らしくて、いったいどうやって、、」と、とても驚かれた様子だった。

新モンゴル学園を訪問された陛下。生徒たちが日本の歌詞の校歌を歌って迎える。
セーラー服やブレザーを着た新モンゴル学園の生徒たち。ここが日本と間違えるほど。

ガルバドラフさんが1人の卒業生を陛下に紹介した。一橋大学に留学し、総代になったという卒業生の男性から「日本とモンゴルが将来、手を取り合えば世界と渡り合えます」と言われ、陛下は「日本とモンゴルの関係も大切に考えていただいて、嬉しいです」とにこやかに話されていた。

帰り際、陛下はガルバドラフさんと握手し、少しの間会話されていた。

ガルバドラフさん
「陛下から、両国の間に人を基盤とした関係をつくっていただいて素晴らしい。
このことをやり続けて下さいと言われました。とても嬉しい」

夢を発表する生徒たち。陛下は一人ひとりの夢に拍手を送られた。陛下の隣は創立者のガルバドラフさん。