笑って学ぶ、若者と政治との距離を縮めるための群馬県の取り組み。高校生、そして台湾の元デジタル大臣、オードリー・タンさんと選挙を“自分ごと”にし、投票率をあげる方法を考えます。
「フェイクニュースを見抜く」ゲーム
群馬県の高校で参院選前に行われた授業。まだ選挙権のない1、 2年生と、投票を間近に控えた3年生が集まりました。
講師を務めるのは、人気お笑い芸人たちです。選挙を自分ごとにする「主権者教育」の授業で、“笑い”をきっかけに、投票の重要性や政治参加について考えます。

笑下村塾代表 たかまつななさん
「悪い政治家を見抜く人狼ゲーム!ゲームは情報を疑ってほしい。実際の選挙の時にフェイクニュースなどに惑わされないように」
生徒たちはフェイク=偽情報を見抜くゲームに挑戦。
話し合うテーマは「18歳で政治家に立候補できるか」。
実際の選挙に見立て政治家、有権者役にわかれます。その中から偽情報を流す人を見つけ出します。

偽情報を流す役
「(政治家には)若さが一番大事で柔軟な発想がある。歳を取っていくに連れてどんどん思想が堅くなっていく。堅い思想を持ったおじいちゃん、おばあちゃんを支持したら堅い世の中になる」
授業の終盤では、生徒たちが政治の当事者として“社会問題を変える方法”を発表します。

高校2年生
「私が変えたいのは、体育館にエアコンを付けることです。そのために私は署名を集めようと思います。なぜなら熱中症で倒れてしまう可能性があるからです」
高校3年生
「私が変えたいのは差別社会です。そのために私は政治家になろうと思います」
群馬県は、なぜ「主権者教育」に力を入れるのか。

群馬県選挙管理委員会
「前回の参院選の群馬県投票率は48.49%が全体の投票率。下から10番以内には入っていた。若い、まだ選挙権を持っていない人も、これから選挙権を持つ世代に。主権者教育を行うことで、短期的な投票率向上だけでなく、未来に向けた持続的な投票率の向上が可能になるのでは」
世界の中でも低い日本の投票率。OECD38か国中では31位です。
6月、韓国で行われた大統領選の投票率は約79%。
そして2024年、台湾で行われた総統選の投票率は約71% 。20代の投票率は7割程度と推計されています。

こうした若者の投票に影響を及ぼしたといわれるのが、台湾のデジタル大臣を務めたオードリー・タンさんです。