午後8時の投票時間が終わった直後に「当選確実」が出るのはなぜ?

報道機関は結果を早く知らせるために、投票日当日、投票所の前などで、投票を終えた有権者に聞く「出口調査」や情勢取材などを行っています。

そうして集めたデータなどから、「他の候補との票差が大きく開いて当選する可能性が高い」と判断した場合に、報道機関が独自に「当選確実」を出します。

出口調査は統計学などに基づいて調査する場所を決めていて、全ての場所で行う訳ではありません。

また集めるデータに偏りが生じないために、開票所から出てきた人について一定の間隔を置いて声をかけています。

出口調査では、投票した候補者名などの他に、「重視した政策」や「普段の支持政党」などを聞く場合があります。

これは選挙管理委員会が発表する投票結果だけでは見えてこない「有権者の動き」を伝えることもつながり、「有権者が最も重視していたのは物価高対策だった」「A候補が無党派層の約6割から支持を得たことが当選につながった」などの分析が可能になります。

また最近は、出口調査の代わりや、出口調査に加える形で、ネットや携帯電話を使って調査をすることもあります。

ただ、その場合も報道機関が有権者個人を判断できる情報を集めることはなく、金品などを要求することもありません。

一方で午後8時過ぎに「当選確実」が出ない選挙区は接戦であったり、逆転の可能性があったりするケースです。

その場合は、開票所で開票が進むに連れて、候補者の間で得票に差がつき始めたり、選挙管理委員会が発表した開票結果などに基づいて、報道機関が「当選確実」を出したり、「当選」を伝えたりします。