共生か規制か?外国人めぐる政策

藤森キャスター:
各党の外国人を巡る政策やスタンスです。こうした中、政府は15日、在留外国人に関する施策の「司令塔」となる事務局組織を発足させました。石破総理が選挙期間中に、実態の把握や制度の見直しなどを指示した省庁横断的な取り組みを発表するのも珍しいことなのかもしれません。
小川キャスター:
選挙戦の中でも、外国人問題についてここまで各党が示すことはほとんどなく、それまで目立つ形ではなかったように思います。

真山仁さん:
本来、選挙は今の現状を考えて、「こういうことを変えてほしい」とか「未来にこういうことがあると希望ができる」ということで争うべきですし、争点はそのように決まっていくものです。今回の外国人の問題は、決して争点の上位にはいません。それにも関わらずここまでメディアが取り上げてしまうと、国民が「一番大事なのは外国人の問題なのか」という認識になってしまいます。もしかすれば、排斥を訴えている人たちからみたら、逆にメディアが応援しているのではと捉えるリスクが出てきます。
大切なことは、外国人の優遇問題は日本にある多くの問題の一つであり、もっと自分たちの生活や未来を考えるべきだと思います。落ち着いて俯瞰して物事を見るという政治に重要なところを忘れてしまって、「悪い人は誰だ」という考えになるのは止めてほしいです。
藤森キャスター:
情報を一つ一つファクトチェックをしていく取り組みも大事ですから、それが目立つことで、議論が熱を帯びているようにも見えることがあるんでしょうね。
真山仁さん:
知らなかったことが可視化されてしまうことにもなります。だから、一つで物事を決めず、指を折りながら、総合的に本当の社会の問題は何かと考えるべきです。自分と戦うしかない気がします。
小川キャスター:
人間は「感情の生き物」という言葉がありましたが、判断を左右する情報に出会ったときは、誰がどういう目的で、何を根拠にして発信しているのかというところまで一歩踏み込んで考えていくということを習慣づけていく必要があります。
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<プロフィール>
真山 仁さん
小説家「ハゲタカ」「ロッキード」など
最新著書に「ロスト7」