おみくじの被害額は400円、判決は…

判決で富山地裁の長島銀哉裁判官は「3件のうち2件は未遂で、おみくじの窃盗の被害額は400円と少額であること、前科はなく、反省の弁を述べている」として懲役1年2か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

被告の口座には、タバコなどいくらでも買えるお金がありました。しかし彼が渇望したのは、口座の数字ではなく、自分の意思でレジに立ち、小銭を払うという、ささやかな自律だったのではないでしょうか。 生活の豊かさとは何か、家族の支えとはどうあるべきか。400円のおみくじが、日々の暮らしの根幹にある、切実なテーマを投げかけた事件のように思えました。