世界陸上のシミュレーションだった日本選手権
アジア選手権もラウンドを進める試合で、世界陸上のシミュレーションをするつもりだった。決勝は20秒12までタイムを上げたが、予選が20秒94(向かい風1.0m)と「上手くはまらない走り」になり、準決勝も20秒67(向かい風)にとどまった。世界陸上のラウンドを進める参考にはできなかった。
それに対して日本選手権は、準決勝こそないものの予選が20秒28(追い風0.9m)、決勝が20秒12と参考になるタイムになった。
「予選は世界陸上の予選を突破できるくらい、決勝は世界陸上の準決勝を突破して決勝に行けるくらいをイメージしていました」
23年ブダペスト世界陸上では20秒44までが予選を通過している。準決勝は20秒21までが通過して決勝に進出した。
「20秒2台、1台で走ったのは目的通りなんですが、前に出られることを考えたら、もう少し欲しかったですね」
タイムは風速と風向で違ってくるし、世界大会になれば自分の前を走る選手がいれば影響を受ける可能性もある。気象的な好条件や、先頭を走ることができる国内試合では、少し高めの目標設定をしてラウンドを進めるシミュレーションをしたのだろう。
タイムは満足していないが、日本選手権とそこまでの一連の走りで、「もう一段階強くなれば決勝に残れるくらいのラインにはいる」と実感できた。
「そこ(決勝)だけはしっかり目指して行きたいところですし、あとは4継(4×100mリレー)はすごく大事にしたい」
東京2025世界陸上の男子200mと4×100mリレーのタイムテーブルは以下の通り。
9月17日 20:15 男子200m予選
9月18日 21:02 男子200m準決勝
9月19日 22:06 男子200m決勝
9月20日 20:25 男子4×100mリレー予選
9月21日 21:20 男子4×100mリレー決勝
男子4×100mリレー決勝が最終日の最終種目に設定されている。
「世界陸上は1日1本ずつ。全部走って、しっかりメダルを取りたい。まだメンバーは決まっていませんが、自分は走る気でいますし、メンバーに選ばれる人はみんなそのつもりだと思います。同じ意思のある仲間と一緒にメダルを取って、もちろん金メダルを取って、みんなで喜びたい」
鵜澤は大会後半の主役の1人になる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















