■「苦しんでいる人が行動できるように」五ノ井さんが声をあげ続ける理由

被害を受けてから1年以上が経った10月、ようやく加害者から謝罪を受けたものの、検察の捜査や加害者の処分は決まっていません。


会見する五ノ井里奈さん:
「謝罪されたからと言って許される問題ではないと思いますし、私の傷というのは一生の傷なので」


それでも五ノ井さんが震災の時に出会った自衛隊に対する気持ちは変わっていないと話します。

五ノ井里奈さん:
「あの当時は震災で助けてもらって憧れたイメージで入隊して、ああいう被害に遭って、本当に残念でしたし、悔しさっていうのはあったんですけど。だからといって感謝の気持ちは忘れないですし、助けてもらったというのは事実なので、自衛隊を恨んでいるとかそういうのは全くなくて、好きだからこそ本当に変わってほしいなって思っています」


五ノ井さんは、加害者からの謝罪を「一区切り」としたうえで、まだ事件が終わったわけではないと声をあげ続けています。「同じ被害にあった誰かのためにも」五ノ井さんは、いまもその歩みを止めません。

五ノ井里奈さん:
「宮城の人でも同じく苦しんでいる人もいると思うので、私の行動によって少しでも勇気とか何かを感じて行動をしたいって思う日が来たらいいなと思います」


現在、五ノ井さんは子どもたちに柔道を指導しています。講演などの依頼も届いていて全国各地で同様の被害にあった人に寄り添う活動を行いたいと話しています。